土曜日で唯一開催される工場見学だったため
予約をして行ってきました.
掛川の工場は国内拠点で唯一グランドピアノを製造している工場です.
ショールームにはヤマハ創業時のピアノやオルガンの展示や
代表的なピアノや楽器を実際に触ることができました.
初期型 ヤマハグランドピアノ(近代化遺産)/初期のオルガン(1907年頃)
小室哲哉が使用したピアノ/ギターやバイオリンの展示
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1887年に山葉寅楠が小学校のオルガンを修理したことに始まり
1897年には「日本楽器製造」を設立
1997年 創業100年目に社名を「ヤマハ株式会社」に変更されました.
現在は様々なアコースティック楽器から電子楽器を手掛けており
木製のアコースティック楽器で培った木材加工技術を生かした車の内装や
電子楽器のために開発した半導体も手掛けています.
ちなみにヤマハはオーケストラで使用されるほぼすべての楽器を製造しているそうです.
次にピアノの製造工程の紹介がありました.
ここの工場では組立・調整・検査の工程を行っています.
ピアノの製造工程
1.曲練支柱の製作
何枚もの板を型に合,ピアノ側面の曲線部分を製作
2.支柱組立
曲練支柱に直支柱をアリ組
アリ組は木材の接合部に凹凸を付け,互いに組み合わせて組む工法
ネジ・釘を使用しない伝統的な製法
3.側板の製作
曲練支柱と同じ様に製作
4.側板と支柱の接着
5.塗装
6.響板の張り込み
響板:ピアノの音を響かせる板
軽く弾力のあるマツ科の木材(スプルースなど)を使用
7.フレームの取付
フレームはヴァキュームプロセスという鋳造方法で製造
フレームを本体に取付
8.チューニングピンの打ち込み
弦を巻き付けるチューニングピンをピン板にロボットで自動的に打ち込む
9.弦を張る
約230本の弦をフレームに張る.
張力は合計20トンになるそうです.
作業中に弦が切れたときに作業者が目をケガしない用に
ゴーグルをつけて作業していました.
10.外装の取付
鍵盤とアクションを載せる棚板や脚の土台となる脚持ちを取り付ける.
11.第一・第二調律
自動調律機により音階と張力のバランスを整える.
12.鍵盤・アクションの取付
鍵盤とアクションを本体へ取り付ける.
13.第一・第二整調
第一整調:鍵盤の高さや引いた時の深さを調整
第二整調:アクションの動きの調整
14.ダンパーの取付
音を止めるダンパーを弦の上に乗るように取付
15.自動打弦機
アクションをなじませるために自動打弦機で打鍵・打弦
16.シーズニング
一定環境下にピアノを置き,弦やアクションを慣らす.
出荷先ごとに合わせた環境室があるそうです.
17.外装の取付
大屋根,脚,ペダルを取り付ける
18.仕上げ調律
ハーモニーを聞きながら調律
19.仕上げ整調
打弦テストやシーズニングで発生した狂いを調整
20.ダンパー総仕上げ
ダンパーの位置や動きを整える
21.整音
ハンマーフェルトにピッカーと呼ばれる針を刺したりやすりをかけ
形や硬さを調整
ここでサイレントピアノTMやディスクラビアTMとして出荷されるピアノは電子部品・外装部品の取付
グランドピアノは品質検査へ進みます.
22.品質検査
全体の検査を行う
23.完成
職人技が輝く現場でした.
各作業場にはタイマーがついていて
効率よく生産ができる仕組みになっていました.
ピアノを作るところは見る機会がないので
いい経験になりました.
最後に記念品として弦をたたくハンマーを頂きました.
ステキな記念品でした.
ハンマー |