2019年2月25日月曜日

19.02.23 天城越え

今回は自転車で天城越えをするため、伊豆へ。
まずは新幹線で三島まで行きます。

駅で開梱して出発!
まずは世界遺産 韮山反射炉を目指します。

韮山反射炉
韮山反射炉
天保11年(1840)のアヘン戦争を機に幕府は軍事力強化に乗り出し、海上要塞として品川台場の築造が決定されました。この品川台場築造の責任者が江川英龍でした。
品川台場に設置する大砲を製造するための反射炉の建築が必要となり、品川に近い下田が選ばれ、基礎工事が行われました。
しかし安政元年(1854)にペリー艦隊の水兵にその現場を見られてしまい、急遽、江川の地元の韮山で建築することになりました。
こうして安政4年(1857)に連双2基4炉の反射炉と周辺の関連施設からなる韮山反射炉が完成しました。
反射炉
反射炉の高さは15.7m
外部は伊豆石の石積み、内部は千数百度まで耐えられる耐火煉瓦のレンガ積み

反射炉での大砲づくりについて簡単に。
まず、ロストルと呼ばれる網上で燃料となる木炭やコークスを燃やし
右上)灰穴 鉄の梁にロストルを設置する
下)焚口 鋳口
ドーム状の炉内で炎の輻射熱を反射させることで、鋳鉄が溶ける千数百度まで温度を上げます。
この構造から反射炉と呼ばれています。
さらに煙突の根本は岬と呼ばれ、煙突の内径を絞り空気が流れにくい形となっており、炉内に熱がたまりやすくする役割と絞られた空気が煙突に流れ込み圧力が下がることで、炉内に空気を吸い込む役割を果たしているそうです。

溶解した鉄は出湯口から鋳型へ流れ込み、大砲の外観をした鋳物が完成します。
鋳台跡(鋳型を置く台) 出湯口
下側の穴から純度の高い鋳鉄が、上の穴からカスを取り出す。
一番上の四角い穴は品質を確認するために使用。
敷地の隣には川(古川)が流れており、ここに水車を設置し、水車の動力で大砲の鋳物を回転させ、鋼で作られた刃で穴を掘り、大砲が完成します。
青銅製29ドイムモルチール(臼砲)鋳鉄製29ポンドカノン
江戸時代の末に大砲製造工場としてのシステムまで作り上げたところが、韮山反射炉の文化的な価値とされており、反射炉を含む敷地と河川の一部が世界遺産となっています。

ちなみに、韮山反射炉で大砲を作り、品川へ運ぶ作業は陸路で沼津まで運び、船で伊豆半島を迂回して運ぶ必要があり、時間もかかることから幕府内にも疑問視する声が多かったそうです。
創業からしばらくすると、現在の東京ドームのあたりに反射炉が造られ、韮山反射炉はわずか10年程度の稼働でその役目を終えたそうです。

しっかりガイドもしてもらえたので、深く理解できました。
ちなみに外側の鉄の支え(トラス)は建築当時からあるものではなく、修復の過程で組まれたものだそうです。
現在も煉瓦が剥がれてきているようで、何とか長く保存したいとボランティアの方が仰っており、地元の方の保存への努力が伺えます。

ついでに、江川邸にも寄ってきました。

江川邸(韮山役所跡)
江川邸(表門)
江川家が先祖代々、700年近くこの家を守っているそうです。

その為、現在の江川邸は室町時代に建てられた部分と江戸時代に修築された部分が含まれています。
主屋
土間 ポートホーウィッスル砲車(ペリーから送られたもの)
西蔵 米蔵 武器庫

つぎは、修善寺温泉街へ
修善寺温泉街


独鈷の湯


修善寺
修善寺

竹林の小径を抜けて  
竹林の小径
いよいよ天城越えへ
修善寺を出てしばらくすると、登りはじめ、7kmくらい登った浄蓮の滝でいったん休憩。

昼食は天城名物 わさび丼
わさび丼
わさびをすりおろし、鰹節と醤油を入れて混ぜ、ごはんにかけて頂きます。
シンプルな料理ですがおいしかったです。途中ちょっとむせました・・・。

浄蓮の滝を見て、再出発。
浄蓮の滝

旧道へ入り天城トンネルを目指します。旧道は車も通れますが未塗装路。
未塗装路ヒルクライムで約2km。遂に旧天城トンネルに到着!

旧天城トンネル「天城山隧道」
天城山隧道
有効高さ3.5m、延長446m
石巻(石積み)工法で造られたトンネル

あまぎ~ご~え~。

河津町側

トンネルを抜けるとようやく下りに。
ここからしばらくは未塗装路をダウンヒル。
大小の石が転がっているし、時々車も来るので慎重に降ります。
国道に抜けると車も少なく、軽快に降れました。

そのまま、河津町へ。
ここは今の時期見頃な早咲きの桜「河津桜」の原産地。川沿いには満開の桜並木が。
河津桜

今回の計画の決め手になった河津桜を満開で見れて最高です!

桜並木を抜けて海岸に出て、熱海方面へ。
ここからはアップダウンが多く、車も大渋滞。歩道もないし道幅も狭く
自転車でも渋滞に巻き込まれました。

今回最後の目的地、城ヶ崎海岸へ
城ヶ崎海岸 灯台


ここは火山岩で形成された海岸。
城ヶ崎海岸

何とか陽が沈む前にたどり着けました。
自転車に戻るとあたりは真っ暗に。
時間にも余裕があれば熱海まで走るつもりでしたが、
この時点で制限時間まで約4時間で36km。
ギリギリたどり着けなくもない感じですが、先ほどの渋滞での巡航速度と輪行時の頼りないライトで全く知らない場所を走るのは危ないと思い、近くの城ヶ崎駅で今回のライドは終了。

伊豆急とJRを乗り継いで熱海駅へ。
時間が遅いせいか、熱海駅の売店に夕食になるものが売っていません・・・。
仕方なくカロリーの高そうなお菓子を夕食代わりに・・・。
予定より約1時間早く帰宅できました。

今回は計画時から城ヶ崎駅までのつもりで立てており、時間にも余裕があれば距離的には熱海まで行けると思ていたので、結果的には元々の計画通りになりました。
目的も達成できたのでとりあえずはよかったかな。
前回の大阪が惨敗だったので、やっとまともな輪行ができたと思います。
また、今回は出発駅と到着駅が別の駅になるルートにしたので、輪行にうってつけのルートにもなりました。
このように一周回らないルートにすることで結構広い範囲を一度に楽しめるのも輪行の魅力かもしれません。

適当な思い付きで計画した割には近くて景観含めいいところでした。

走行距離:106.74km
巡航速度:18km/h

坂が多かったのはあると思いますが、100kmにしては長く感じる・・・。
あまり乗っていないせいか、体力が落ちてきたかも。
そろそろ自転車日和。気合を入れないと!