五島列島の下側、下五島とよばれる福江島、久賀島、奈留島は
「長崎と天草地方の潜伏キリスタン関連遺産」として
世界遺産候補になっている教会群があります。
1日目
まずは飛行機でセントレアから長崎空港経由で福江空港へ。
長崎から福江空港は初めてのプロペラ機で向かいます。
DASH 8 |
エンジンは プラットニー&ホイットニー社製
プロペラはハミルトン サンドストランド社製アルミ・グラスファイバ製4枚羽。
窓側席は座席下から円筒のカーブが始まるため、足元が窮屈でした。
若干、恐怖感のある揺れもありましたが、楽しいフライトでした。
到着後はレンタカーを借りて久賀島行の船に乗るため福江港へ。
出港時刻までに近くの食堂で昼食を。
自転車を組み立て始めるとトラブルが・・・。
前輪側のクイックリリースがない・・・。
ホイールを普段用のダイナモから交換したときに抜き忘れてました・・・。
やむを得ず、レンタサイクル(電動アシスト自転車)を借りて久賀島へ。
スピードが速すぎて水の淀みしか見えません・・・。
シーガル船内 地下席 |
久賀島では世界遺産候補の教会 旧五輪教会堂を目指します。
まずは久賀島で最初の教会 浜脇教会へ。
浜脇教会
浜脇教会 |
1881年に最初の浜脇教会(現旧五輪教会堂)が建てられ、風雨と老朽化で移築後に
台風などにも耐えられる五島初のコンクリート造の教会として
1931年に現在の教会が建てられました。
借りた電動アシスト自転車は借りるときにお店の方が
電池なくなったら大変だから気をつけてと念押しされていたため、
なるべく使わずに行くつもりでしたが坂がきつく電動アシストをON!
すごく楽だし面白い!
次に牢屋の窄へ
新聖堂 |
ここは明治時代に起こったキリシタン弾圧を伝える場所です。
キリシタン弾圧の歴史を簡単に。
1613年から江戸幕府により発令された禁教令の中、
1866年頃に久賀島などに潜伏していたキリシタンの元にも
1865年の長崎での信徒発見の出来事や
プティノジャン司教(大浦天主堂の建設と信徒発見に立ち会った仏人カトリック宣教師)
の情報が入ってきます。
それを聞いて命がけで長崎へ渡りプティジャン司教に教えを
請いに行く信徒もいたそうです。
そんな中、島民からキリシタンを公言する信徒が次々と現れ
久賀島牢屋の窄殉教事件に発展したそうです。
明治元年(1868)年、明治政府がキリシタン弾圧を行い、
久賀島では激しい拷問を受けた上、わずか6坪の部屋に老若男女200名を
8ヶ月間押し込み、死者39名、出牢後に3名死亡という悲惨な弾圧が行われました。
これらの弾圧は明治政府の外交問題にまで発展し、明治6年に禁教令が解除されました。
殉教記念碑 |
日本は単一民族国家なので弾圧当時の大多数の人にとって
異教徒のキリシタンは特に異質な存在だった為、
排除しようとする力が働いていたのだと思います。
そんな中で信仰を守りぬいたのは並大抵のことではありません。
今ほど、ものにあふれた時代ではないだけに
信仰こそが生きるための心の拠り所だった為、命がけだったのだと思います。
また、このような教会やお寺など宗教施設を訪れるたびに
自分と異なるものを受け入れる精神を教えられ、
自分はそんな人間になれているだろうかと考えさせられますね・・・。
教会を後にし、しばらくするとまた急な峠に入り、峠を下ると小さな集落へ。
集落の細い道に入っていくと五輪教会堂の駐車場があります。
駐車場からは山道を徒歩で行きます。
五輪教会 |
現在の五輪教会堂の隣に旧五輪教会堂があります。
旧五輪教会堂
旧五輪教会堂 |
木造瓦葺平屋建ての和風建築
内部は三廊式の教会ときれいな曲線のコウモリ天井になっており
神々しい雰囲気でした。
内部は撮影禁止なので上手く伝えられないのが残念ですが・・・。
帰路は時間があった為、展望台に寄道。
また坂がきつかったので電動アシストをふんだんに使って登りました。
折紙展望台 |
レンタサイクル |
無事に港まで戻てきましたが、出港の2時間前・・・。
電動アシスト自転車の電池残量も余裕でした。
行く場所もなく寒い待合室でじっと待ちました。
福江港到着後はすぐに島の自転車屋さんへ。
代替部品がないか聞くとガラクタを寄せ集めて何とかしてもらえました。
雑な代替対策に高額な支払い・・・。
(2000円 レンタサイクルももう1日借りられるし、
安いクイックリリースなら買える様な・・・。)
となりましたがここは勉強代と助けて頂いたお礼代と腹をくくり支払てきました。
ようやく宿へ。今回予約が取れず宿がキャンプ場のバンガローに・・・。
行ってみると一人で過ごすには大きすぎる家!
しかもエアコンとテレビが有料・・・。
することもないのでお風呂に入って速攻で布団に包って寝ました。
疲れていたのでちょうどよかったです。
怒涛の一日目でした・・・。
2日目
まずは朝から世界遺産候補の教会のある奈留島へ行くため、福江港へ。
奈留島の江上天主堂を目指します。
昨日の久賀島ほどの坂はなく、とても走りやすかったです。
江上天主堂
江上天主堂 |
鉄川与助設計
木造ロマネスク様式の天主堂
管理人さんに連絡すると快く内覧させてもらえました。
さらに解説もして頂けました。
明治6年に禁教令が解かれ、しばらくは簡易的な教会があったそうですが
雨風ですぐ壊れてしまい、住民約51世帯の寄付によって1918年に
建設されたそうです。
内部は三廊式、コウモリ天井が特徴です。
雨風から教会を守るため、小高い森の中に建てられていることから
日照不足と地下水による湿気が発生しやすい為、高床式になっています。
柱や壁のアーチ部分の飾りは木目調になるように手書きで木目が描かれています。
建設費は現在の金額にして7000万円くらいだそうです。
当時のキリスタンの人々は長い間迫害されてきたため、
非常に貧い暮らしを強いられていたそうです。
そんな中でも信仰を行える教会を求めて、この教会を建てたことは
信者の方々の努力の賜物だと思います。
港への帰りに奈留教会に立ち寄り、
奈留教会
奈留教会 |
1961年に現在の教会堂が建設されました。
少し海へ足を伸ばして・・・。
海岸からの眺め |
1時間前に着きましたが、昨日とは違い
空調の効いたターミナルで過ごせたので快適でした。
福江空港に到着後はさっそく、福江島の教会巡りへ。
昼食に五島列島の名物、五島うどんを食べに。
五島うどん |
楠原教会
楠原教会 |
島の信徒の方々が協力して工事等を手伝って3年の歳月をかけて完成したそうです。
煉瓦造のゴシック様式で下五島では堂崎教会に次いで2番目に古い教会。
ステンドグラス |
ファチマの聖母と羊飼い |
信者に神への道に精進することを伝える場面だそうです。
楠原牢屋敷跡
楠原牢屋敷跡 |
近くには信仰の自由を記念した記念碑があります。
水ノ浦教会
水ノ浦教会 |
1938年に現在の教会堂が完成。
ロマネスク、ゴシック、和風建築が融合した木造教会。
こちらも鉄川与助設計。生前最後の作品だそうです。
白亜で優美な外観に内部は広く三廊式でコウモリ天井の美しい内装でした。
堂崎天主堂
堂崎天主堂 |
赤レンガ、ゴシック洋式の天主堂。
五島での小バチカン的な重責を果たしてきた教会堂だそうです。
内部は史料館となっており、五島でのキリシタンの歴史を伝える展示がされていました。
海岸からの眺め |
再び、福江港に戻り五島土産を購入後、レンタカーで島の西側へ。
ここまで
走行距離:68.26km
巡航速度:21.3km/h
五島土産(かんころ餅、治安孝行) |
井持浦教会
井持浦教会 |
現在の教会堂は1987年の改装後のもの。
ルルド |
玉之浦教会
玉之浦教会 |
ちなみに島内は基本的に片側1車線の道で車も歩行者も少ない為
クルマのドライブもサイクリングもとてもしやすかったです。
サイクリングはすこし坂がきついですが・・・。
3日目
帰路へ。準備等に時間がかかると思い余裕をもって行動したら
空港に2時間前に到着・・・。ただただヒマです・・・。
帰りは福岡空港で乗り継ぎ。
1時間の乗り継ぎ時間で昼を食べる為に、急いで店探し。
空いていたお店で豚骨ラーメンを。
豚骨ラーメン |
昼食後は福岡土産を購入しすぐに保安検査を通過。
飛行機まではバスで向かいました。
無事、セントレアに到着。福岡と同じくバスでの送迎かと思ったら
セントレアは中型機でもボーディング・ブリッジが使えるんですね!
前回も感じましたがやはり駐車料金が高い・・・。
飛行機輪行最大の難点はこの駐車料金かな・・・。
恒例の半田の渋滞にはまり夕方ごろに帰宅しました。
次は北海道かな。また計画たてます!
ちなみに、ようやく年間2000km到達。今年はスローペースです・・・。
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